体外衝撃波治療
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体外衝撃波治療とは
- 高出力の音波を体外から患部に照射することで痛みを取り除く治療方法です。
- まだ日本での導入は少ない機器ですが、衝撃波は1980年代から腎結石を破砕する治療として確立されており、現在では整形外科の新しい治療に応用されています。
- 超音波は出力を強くすると熱を発生する為、出力を強くすることはできませんが、体外衝撃波はほとんど熱を発生しない為、出力を強くすることができます。また、超音波と違い衝撃波は減衰しない為、深部に照射することが可能です。
☆当院で使用している圧力波治療器
BTL-6000 トップライン
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対象疾患
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- アキレス腱炎
- 踵骨棘/足底腱膜炎
- 中足骨痛症
- 脛骨過労性骨膜炎
- 膝蓋腱炎
- 上腕骨外側/内側上顆炎
- 転子腱障害、転子滑液包炎、近位部腸脛靭帯炎
- 一般的な腱付着部症
- 石灰沈着性腱板炎
など
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- トリガーポイント( 発痛点 : 浅層、深層、筋膜)
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- 足底筋
- 腓腹筋短縮
- 内転筋群
- 腰痛
- 背痛
- 頸椎症候群
- (石灰化あり/石灰化なしの)肩関節周囲炎
- 前腕筋
など
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体外衝撃波治療の効果
- 衝撃波を当てることで故意的に患部に炎症を起こさせ、体が本来持つ治癒力で慢性の痛みを改善します。
- 強い振動を痛みのある部位にあてることで、血流と組織代謝を増加させ、慢性化した痛みをやわらげます。
痛みを感知する神経末端の働きを弱くし、新生血管を誘導して組織の修復を促進させることが考えられています。※体外衝撃波による治療は完全な除痛を保証するものではありません。
また患者さんによって治療効果や治癒期間は異なります。
平均的な治療効果は60〜80%と報告されています。
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治療の流れ
- 1) 診察とレントゲン検査などを行い、体外衝撃波治療を行うかどうかを相談します。
2) 患者さんは座位または診察台に横たわる姿勢で、患部に体外衝撃波を当てていきます。※ 患者さんそれぞれの痛みの感じ方に合わせた出力で行い、強さも我慢できる範囲で調節します。
低レベルでの照射に耐えられない方は、途中で治療を中断する場合があります。
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治療の特徴
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- 照射した直後からの除痛効果およびその後の組織修復の促進
- 1回の治療時間が短い
- 外来通院で治療が可能なため入院の必要がない
- 切開しないので傷痕が残らない
- 麻酔などは不要
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その他
- 副作用の心配はほとんどありませんが、有害事象としては以下のようなものが報告されています。
- 治療中・治療後の疼痛
- 治療部位の腫れ、点状出血
- 感覚異常、知感低下、神経痛等神経障害
- 湿疹
上記いずれも通常数時間〜数日でよくなります。